【ホテル・旅館向けのWi-Fi】 セキュリティ対策や回線速度を上げる方法を解説
「Wi-Fiのセキュリティ対策って何をしたらいいの?」
「ホテルや旅館向けのWi-Fiって何があるの?」
このように気になっている方もいるのではないでしょうか。
館内のWi-Fi環境を整えることは、お客様の満足度を上げるためだけでなく、宿泊者を増やすためにも重要なポイントとなります。
この記事では、宿泊者がホテルや旅館のWi-Fiで気にするポイントから、セキュリティ向上や回線速度を高速化するための、Wi-Fi導入や切り替えにあたっての具体的なポイントまでお伝えしていきます。
目次
ホテル・旅館のWi-Fiで宿泊者が気にするポイント
観光庁の「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」の結果によると、訪日外国人が困ったことの第2位が「無料Wi-Fiの環境」に関するものでした。
インバウンドのお客様が急速に増えてきていることを考慮すると、Wi-Fi環境を整えることは重要になります。
ここでは、訪日外国人の宿泊者が気にするポイントについて、アンケートの結果も併せてお伝えしていきます。
フリーWi-Fiを使わない理由はセキュリティ問題が第1位
総務省の「無線LAN利用者に対するアンケート調査」の結果、フリーW–Fiを利用しない理由の第1位がセキュリティ上の不安となっています。
訪日外国人が困ったことの第2位が無料Wi-Fiの環境
観光庁の「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」の結果によると、旅行中困ったことは「施設等のスタッフとのコミュニケーション」が最も多く、次いで「無料公衆無線LAN環境」「多言語表示」でした。
日本ではキャリアと契約することで、比較的安価に使い放題プランを選択できますが、海外ではプリペイド決済などが主流のため、通信量が少なかったり、利用料金が高額になる場合があります。こういった背景から、海外では公共施設や宿泊施設などの無料Wi-Fiの整備が日本よりも進んでいます。
インバウンド対策として、ホテルのWi-Fiを整備する必要がありそうです。
観光庁「「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果」
出張者もWi-Fi環境に対して不安を抱いている
「公衆無線LANサービスで利用する時に、不安はありますか」という質問に対し、仕事をする上で「不安がある・公衆無線LANサービスを利用しない」と回答した人が68.1%もいます。
セキュリティ対策が取られていないと、決済情報や機密データが傍受される可能性があります。
出張利用者に安心してお仕事をしてもらえるように、Wi-Fiのセキュリティ対策をしてあげることもおもてなしのひとつではないでしょうか。
通信速度の高速化も改善点に
「Wi-Fiの速度が遅いです。」
「Wi-Fiが繋がりません。」
宿泊者からこのようなお声が上がることもあるのではないでしょうか。
総務省による、訪日外国人向けの「WI-FI利用に係る調査結果」によると、 「情報セキュリティ対策への強化」に次いで、「接続に係る設定や手続きの簡便化」「通信速度の確保(高速化)」「アクセスポイント数の増加」が改善点として挙げられました。
Wi-Fiの回線速度は、出張者や日本人観光客も非常に気にするところです。
ビジネスの場では、オンラインでのミーティングや商談が増えてきています。観光客は、ホテルのお部屋でSNSの更新やyoutubeなどの視聴をすることも当たり前になってきています。
顧客満足度を上げるためにも、回線速度の高速化や安定化を図ることも重要です。
お悩み別の対応方法を解説
「インターネットのセキュリティを強化したい」
「回線速度をあげたい」
「建物が古くて工事が難しい」
など様々なお悩みがあるのではないでしょうか。
ここでは、お悩み別の対応方法やおすすめのインターネット配線方式について解説します。
インターネットのセキュリティを強化したい
Wi-Fiルーターは、電波発信に加え、セキュリティを守るためにも活躍しています。
5年以上経っているルーターは危険な可能性がある
Wi-Fiのセキュリティは2〜5年で新しい規格が登場します。
セキュリティ規格が古いと、マルウェア(コンピュータウイルスなど)に対抗できずルーターを乗っ取られる可能性があります。
事実、2021年にエレコムが自社製品の一部に、セキュリティ面での脆弱性があることを発表しました。アップデートを推奨するとともに、サポート切れの製品に関しては機器の交換を訴えました。
5年以上経っているルーターは危険な可能性があるため、ご使用の機器が最新の規格に対応しているかを確認した方が良いでしょう。
セキュリティを強化するためには?簡易的に規格を調べる方法を紹介!
今お使いのルーターが最新の規格に対応しているかを調べてみましょう。
セキュリティが弱くなってしまう理由は、機器自体が古く最新の規格に対応していないか、ファームウェアが更新されていないかの二点が考えられます。
まず、セキュリティを保護するための暗号化方式は主に4種類あります。
種類とセキュリティ強度は以下の通りです。
WEP | WPA | WPA2 | WPA3 |
---|---|---|---|
安全性✕ | 安全性△ | 安全性〇 | 安全性◎ |
暗号化はされているが、古い暗号技術のため解読されやすい | WEPよりは安全性は高いが、脆弱性が見つかっている | WPAからより強固な暗号化技術を採用現在最も普及している | パスワードが破られた際にも、Wi-Fiの暗号化の解除を防げるようになっており、強固なセキュリティが実現 |
次に、現在使用しているものが最新のセキュリティ規格のものかを調べてみましょう。
ここでは、最新のセキュリティ規格かを簡易的に調べる方法を解説します。お手持ちのiPhoneもしくはAndroidスマートフォンで確認できますので、是非試してみてください!
iPhoneの場合(ios14以降)
①Wi-Fiの設定画面を開く
②自社のWi-Fiに接続する
③接続Wi-FiのSSIDの下に「安全性の低いセキュリティ」と警告文が出ていないかを確認
Androidスマートフォンの場合
①Wi-Fiの設定画面を開く
②自社のWi-Fiに接続する
③接続Wi-FiのSSIDをクリックし暗号方式を確認
セキュリティ規格が古い場合は、最新の規格に対応した機器への交換か、ルーターのファームウェアを最新のものにアップデートしましょう。
回線速度をあげたい
回線速度を上げるためには、①インターネット機器や➁プロバイダーの見直し、もしくは③配線方式の見直しが必要です。
ここでは、回線速度をあげる方法について解説します。
「回線速度をあげたいけど、何をしたらいいか分からない」と不安な方は必見です!
なお、回線速度をあげるためのより詳しい記事は「【ホテル・旅館向けのWi-Fi】快適な回線速度の目安とポイントとは」にまとめてありますので、ぜひご参照ください!
①インターネット機器の見直し
ホテル・旅館で使用するインターネット機器は共用部の機器と客室の機器に分かれます。
回線速度が落ちる理由としては、機器自体の老朽化もしくは、機器が古いことにより最新の通信規格に対応していない場合があげられます。
低速化の理由が、機器自体の老朽化の場合は、機器の入れ替え工事のみで回線速度が上がる場合もあります。
一般的に機器の寿命は4~5年と言われています。寿命を超えてしまうと、購入時の回線速度が1Gbpsだったものでも、老朽化により100Mbpsと、10分の1の速度になってしまうといわれています。回線速度が遅い時には、機器が導入後何年経っているかを確認してみても良いかもしれません。
②プロバイダーの見直し
プロバイダーによって、回線速度や安定性が変わります。回線速度を上げるためには、プロバイダーの見直しも必要になります。
プロバイダーとは、回線をインターネットに繋げる業者のことです。
インターネットを利用するためには、回線業者とプロバイダーの両方と契約する必要があります。回線業者とは、NTTやKDDIといったインターネット回線を提供している業者のことです。
回線業者とプロバイダーを別々で契約するのが面倒くさいという方には「光コラボレーション」がおすすめです。光コラボレーションとは、NTT東日本及びNTT西日本がプロバイダー事業者に光回線を卸し、プロバイダー事業者が自社のサービスなどをセットにして販売するモデルのことです。契約書や明細書の管理もまとめてできるため便利なサービスです。
③配線方式の見直し
回線速度を上げるためには、配線方式を見直すことでも解消されます。
一つのWi-Fiルーターで十分な速度を維持できる台数には上限があります。そのため、同じ回線を複数人で使用するホテルや旅館では回線が混みやすく、結果速度も落ちてしまいます。
これを解決するために、LAN配線方式や同軸配線方式で各お部屋にWi-Fiルーターを設置することで、回線が混みあわず、速度の高速化や安定化を図ることができます。
以下でそれぞれの配線方式について解説します。
LAN配線方式
有線LANケーブルを利用した従来の提供方式です。
LAN配線方式は、共用部分から各部屋までがLANケーブルで配線されていることを言います。
注意点としては、現在LAN配線が通っていない場合、共用部に加え各部屋の工事が必要になります。
既にLAN配線が通っている場合には、工事は共用部のみで大丈夫です。
建物が古く工事が難しい
「建物が古く工事が出来ない」
「どういう工事方法があるかが分からない」
このように悩まれている方は実際に多くいます。
インターネットの配管が潰れてしまっていることにより、LAN配線方式が採用できず、悩まれる方もいます。特にホテルでは、築年数が経っており配管がダメになってしまっている場合も多いです。
ここでは、こういった場合でもインターネットを通すことが出来る、テレビ線を利用した配線方式について解説します。
同軸配線方式
既存のテレビアンテナ線を利用してインターネットを提供する方式です。
共用部工事と同軸モデムをお部屋に設置するだけで工事が完了します。
お部屋内の工事が不要なことに加え、工数が少ないため導入コストもカットできます。
テーマパーク併設ホテル約700部屋への導入実績あり
「インターネットを通したいけど、配管がつぶれており回線を通すことができません」
このようなご相談を受け、同軸配線方式でインターネット回線工事を提供させていただきました。
配管が潰れてしまう原因はいくつかあるのですが、このホテルの配管は建物の重さにより押し潰されてしまっていました。
同軸配線方式の場合は、お部屋内の工事も不要なため、営業をとめることなく、チェックインとチェックアウトの間で工事を完了することができました。
まとめ
本コラムでは、お客様により満足してもらうためのインターネット環境について解説しました。
宿泊者が気にするポイントとしては、セキュリティ面と回線速度の二点があげられます。
これらを改善するために、機器の見直しやホテル・旅館向けの配線方式についてご紹介しました。
このコラムを読んでいただき、自社のWi-Fi環境を改善したい方は、是非お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください!
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