【ホテル・旅館向けのWi-Fi】 快適な回線速度の目安とポイントとは

通信速度について

通信速度の単位について

通信速度の単位はbpsで表されます。「bit per second」の略で、１秒間に転送されるデータ量を表します。bpsの表記では「kbps」「Mbps」「Gbps」が一般的に使われ、「kbps」は1,000bps、「Mbps」は100万bps、「Gbps」は10億bpsという大きさを表しています。回線速度やWi-Fiの速度を表す際には、主に「Mbps」が使われます。

bpsの値が大きいほど、1秒間で沢山のデータをやり取りできるため、快適な通信環境といえます。

通信速度の上りと下りとは？

インターネット回線の通信速度では、「上り」と「下り」というワードをよく目にするかと思います。上りと下りは、アップロードとダウンロードのことをさします。

上り：アップロード
下り：ダウンロード

インターネットにデータを送信するときには「上り」の速さが、インターネットからデータを受信するときには「下り」の速さが関わってきます。

例えば、動画などの大容量データを送信する時には「上り」の速さが重要になり、ウェブサイトの閲覧やメール・LINEといったメッセージを受信する時には「下り」の速さが重要になります。

「下り」の速度の方が重要

インターネットを利用する上では、「上り」よりも「下り」の速度の方が重要になります。

webサイトの閲覧や動画の視聴といったように、インターネットは「下り」での利用に該当する場合が多いためです。

Wi-Fiを選ぶ際には、「下り」の速度を指標にして選ぶようにすると良いでしょう。

Wi-Fiの速度の目安とは？

文字のみの送受信なら1Mbps以上、画像・動画の視聴やwebサイトの閲覧なら10Mbps以上、高画質の動画視聴なら30Mbps以上、オンラインゲームをプレイする場合には100Mbps以上が快適な速度の目安です。

ホテル・旅館のWi-Fiで必要になる通信速度とは

「お客様に快適なインターネット環境を提供するには、どのくらいの通信速度が必要なのだろう？」

このように悩まれている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、利用シーン別で必要になる通信速度について解説します。

web会議

上り・下り：10～30Mbps

zoomやgoogleミートといったweb会議に必要になる通信速度は、上り・下り10〜30Mbpsが目安です。

動画視聴

上り・下り：10～30Mbps

動画視聴の場合は標準画質で上り・下り10Mbps、高画質で上り・下り30Mbpsが目安の通信速度です。

ウェブサイト閲覧

上り・下り：1～10Mbps

ウェブサイト閲覧の場合は画像が少ないページで1Mbps、画像や動画が埋め込まれている場合は10Mbpsが目安の通信速度です。最近ではテキストのみのページは少ないため、10Mbps以上出ていれば安心でしょう。

メールやメッセージでのやり取り

上り・下り：1Mbps

メールやLINEといったメッセージでのやり取りの場合は、上り・下り1Mbpsが目安の通信速度です。

ルーターを選ぶポイントについて

インターネット回線の速度を上げるためには、Wi-Fiルーターの性能も重要になります。

光回線でインターネットを引いていたとしても、Wi-Fiルーターの性能が低い場合には、回線速度が落ちてしまいます。

また、Wi-Fiルーターを選ぶ際には以下の二点にも注意する必要があります。

利用する人数

Wi-Fiルーターは接続できるデバイス数に上限があります。

上限の接続数を超えると、速度低下を招く可能性があります。

また、機器の性能によって接続できるデバイス数が変わるためご注意下さい。実際、2～3台しか接続できないものから、100台ほど接続できる機器まであります。

お部屋の広さや部屋数

Wi-Fiルーターは電波が届く範囲にも上限があります。

Wi-Fiルーターを設置する場所を誤ると、端の部屋だけ電波が届かなかったりする場合があります。この問題はこの後説明する「メッシュWi-Fiや中継器」を接続してあげることで解消できる場合もあります。

メッシュWi-Fiについて

館内が広かったりお部屋の数が多く電波が届ききらない場合は、「メッシュwfi」や「中継器」を設置しましょう。

Wi-Fiルーターの性能が良くても、距離が遠いと速度が落ちてしまうことがあります。その場合には、電波の中継係として、「メッシュWi-Fi」や「中継器」を設置することで電波の届く範囲を広げてあげます。

また、メッシュWi-Fiの特徴として、複数のWi-Fiネットワーク機器を導入しても、自動でネットワーク構成が決定されるため、Wi-Fiネットワーク機器同士の接続設定をする必要がありません。また、電波の距離を考慮し、間隔をあけて機器を配置するだけで、Wi-Fiの利用できる範囲を拡大できます。

ISP（インターネットサービス・プロバイダー）について

インターネットを利用するためには、インターネット回線業者とプロバイダーの両方との契約が必要です。
＊こちらについて詳しくは「【ホテル・旅館向けのWi-Fi】セキュリティ対策や導入ポイントを解説（URL埋め込む）」の「プロバイダーの見直し」部分をご参照下さい！

プロバイダーを選ぶ際のポイントとして以下の四つがあげられます。

①回線速度

通信速度に直接的な影響を及ぼすのは回線業者ですが、プロバイダーによっても速度の差は出ます。こちらに関して、速度の平均値などをまとめているサイトなどもあるため、導入前に確認してみるのも良いでしょう。
また、プロバイダーを利用している人数や、同じサービスであってもエリアごとで速度が変わる場合もあるため注意が必要です。

②安定性

「曜日や時間帯によって繋がりにくくならないか」や、「電波障害が発生しにくいか」などが安定性を確認する上で重要になります。

③サポート体制

プロバイダーによってサポート体制が変わるので、意外と注意した方が良いポイントでもあります。

急にトラブルが起きた際でも、すぐに対応してもらえるかを予め確認しておく必要があります。

料金プラン

プロバイダーによって料金プランは様々です。Wi-Fiの料金はランニングコストとしてかかってくるので、その場の特典だけではなく長い目で計算し、しっかりと選ぶことが重要でしょう。

IPv4、IPv6、IPv4 over IPv6とは？

通信混雑が起こると、インターネットの回線速度が遅くなります。

そのため、通信混雑が起きないようなインターネット環境を構築することも重要になってきます。そこで登場してくるのが、「IPv4」「IPv6」「IPv4 over IPv6」です。

インターネットの通信方式には、従来の「IPv4」と新しく作られた「IPv6」があります。また、IPv4対応の端末でもIPv6ネットワーク経由での通信を可能にしたものが、「IPv4 over IPv6」です。

データの流れを車と車道で例えると、IPv4が道幅が狭く混みやすい一般道路、IPv6が道幅が広く混みにくい専用道路です。また、これまではIPv4の道路を走る車はIPv6の道路を走ることはできませんでした。そこで出てきたのがIPv4 over IPv6です。IPv4 over IPv6の道路だと、IPv4の車もIPv6の道路に乗り入れ可能になっています。

現在一番サクサク進む通信方式は「IPv4 over IPv6」なので、こちらでインターネット環境を整備するのが良いでしょう。

まとめ

本コラムでは、インターネットの回線速度をあげる方法について解説しました。

基本的な回線速度の上げ方は本コラム記載の方法になりますが、ホテルや旅館の規模や築年数などにより工事方法は様々です。

「インターネットの回線速度をあげたい！」「実際どのくらいの費用で工事ができるのかを無料で知りたい！」という方は是非お問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい！